I.T.L

□第5戦【蠢く黒い影】
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「…街、というか、村のような場所ですね」


この小さな街に住んでいる住民は街程多くなく、田舎の村のような場所だった。

この街はリュイスが居る『王都ゲンドール』より思いやりのある人が多そうだ。


「ここにはまだ自然があるみたいだな」


「まぁ本当。周辺に聖霊が住んでいるんでしょうか?」


「ようこそ、旅のお方」


突然、一人の年老いた老人が話しかけてきた。


「ここは『シュールント』。
自然はこれだけじゃが、世界で一番自然が残っている街じゃ。
歓迎しますぞ、旅のお方」


老人は優しい笑顔で話した。


「あ、ありがとうございます。
ところで貴方は…?」


「あぁこれは失敬。わしはこの街の長、ケリント・ナーティスと申す」


「初めましてケリントさん。私はセレ……、
セレティナ・バルコントと申します」


セレンは何故か長老に偽名で自己紹介をした。


「ケリントさん、よろしければ宿屋に案内して頂けないでしょうか?」


「もちろん。わしの孫に使わせましょう。
おい、スレッド!」


長老は後ろでまき割りをしている短髪の男に声をかけた。




――…スレッド……?

聞き覚えのある名前に、違和感を感じる。


「じいちゃんどうした?」


「あぁスレッド、この方々を宿屋に案内してはもらえないだろうか?」


「いいよ。じいちゃん身体弱いんだから、家帰ってな」


「はいはい。全く心配性じゃのう」


長老はブツブツと文句を言いながら帰って行った。







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