I.T.L
□第5戦【蠢く黒い影】
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「さぁて、次はどこへ行く?」
1フェール程歩いたところでようやく俺は口を開いた。
「…え?決めていなかったんですか?」
「決めてるわけないだろ」
「てっきり私、次の街に向かっていると思っていました…」
「そりゃ悪かったな。で、どこか行きたい街とかないのか?」
「うーん…」
セレンは手を顎に当て、真剣に考える。
「………無いです」
「なんだそれ!数分考えてその答えか!」
「だ、だってお父様と繋がりがある場所といえば『リヴァイベル』しか思いつかないんですもの…っ」
半泣き状態で答えるセレン。
そんな状態、俺に通じると思ってるのか…?
……それが通じるんだよな…。
「はぁ〜…っ」
俺は深い溜息を漏らし、身体全体でガックリとする状態に。
行くあてもないまま歩いていたってしょうがない…。
「お兄ちゃん」
その時にリアは俺の服の袖をクイクイ、と軽く引っ張った。
「どうした?」
「もう街見えてるよ?」
「「…え?」」
セレンと俺、二人同時反応する。
前方を見れば本当に街があった。
会話をしている間にどれだけ歩いたのか…、と色々と疑問があったが、
とりあえず俺達はその街に入ってみることにした。
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