ブック13

□たった一度の
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ラクスは変わらない、と。

何があって、縋ってしまっても、母なる大地の様に、どこまでも悠然と広がる海の様に、
彼女はそこに在るのだ、と。

だからあの時キラは、赤子の様に、全てをさらけ出せた。


そしてラクスはただの少女でもある。
腕の中の華奢な身体がそれをキラに実感させた。

父親の死に、堪えきれず泣き出した脆い彼女を守ってやりたいと思ったではないか。




やり直したくても、やり直せない辛さをキラは知っている。
この手から零れ落ちてしまったものは永遠に取り戻せない、その悔しさ。
やりきれない思いに傷付き涙した過去。


そんな思いをもう二度としたくないから、だから。


「…ありがとう、ラクス」



(正しい愛し方なんて分からない。
またラクスを傷付けてしまうかもしれないし、泣かせてしまうかもしれない。
間違ってしまうかもしれない。

でも、僕たちはやり直せるから)




「…ラクスが好きだよ」

「キラ…!わたくしもキラが好きです…っ」








たった一度の人生なんだから


恐いからって想いを殺すなんて切なすぎる。

そんなの、自分も相手も傷付けてしまうのに。

間違っても良い、だって僕達はやり直せるのだから。



自分達なりの愛の形を作っていこう。














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