ブック13
□抱き締めて!
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《ハロー!アーソーボー!》
《トリィ!トリィ、トリィ》
《アカンデー!》
「………………はあ…」
鷲色の髪の、まだ表情に幼さを残した青年が砂浜で寝転んでいる。
すぐ頭の上では友人からプレゼントされたペットロボット達が楽しそうに会話をしているが、その音は青年の耳には届いていないようで。
「……………はあ、良い天気なんだけどなぁ」
青年は先程から幾度となく溜め息をついて空を見上げている。
初めはリビングで溜め息をついていたのだが、青年の母親に
「私の幸せまで逃げそうだわ!どっか行きなさいよっ」と怒られ、仕方なく海まで来た。
ペットロボット達は、勝手に付いてきただけ。
「…………はあ、こんなに天気が良いのになぁ」
「こんな所にいましたの?」
また一つ、溜め息をついた青年に、澄んだ優しい声が降った。
えっ、とキラは首を巡らす。
「キラは本当にお昼寝がお好きですわね」
愛らしい笑顔が逆さまに見える。
キラはガバリと飛び起きた。
にっこりと笑いながら自分を見つめるラクスにキラは口を尖らせて睨んだ。
「何しに来たの」
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