ブック13
□やっぱりライバルです。
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「37度8分…」
アスランは呆れた様子で体温計の数字を読み上げた。
「すみません」
「ずっとあんなことしてたから…」
ラクスのファッションショーは子供が起きててはいけない時間まで続き、何度も着替えを繰り返していたラクスは風邪を引いてしまった。
今日行くはずだった水族館に、もちろん行けない。
「久しぶりに、お兄様と出掛けられると思ってましたのに…」
ブワッとラクスの瞳から涙が滝のように流れた。
アスランは苦笑いして、そっとラクスの涙を拭ってやる。
「風邪が治ったらまた行けば良いさ。
今日はずっとついてるから…」
「……はい」
アスランの手の温度が気持ち良く、ラクスはいつの間にか目を閉じた。
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