ブック13
□やっぱりライバルです。
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―金曜日―
「お兄様、お兄様っ」
「ん?」
「このお洋服いかがでしょうか?」
ラクスに呼ばれて、アスランはテレビに向けていた顔をラクスに向けた。
ラクスは白いワンピースを着てくるりと回転し、アスランに微笑む。
は?と、口をあけてポカーンとしてしまったアスランは素早く彼女の意図を理解し、笑顔で頷いた。
「うん、いいんじゃないか?」
ラクスは、明日に着る服を選んでいるのだろう。
何故そんなことをするのか、アスランは分からないが、
女の子はそういったことを気にする、と二人の母から教わったことがある。
「では、これは?」
アスランの返事に満足したかと思えば、ラクスはまた別の服を着てアスランの前で回った。
「うん。いいんじゃないか?」
アスランはまた笑顔で頷いた。
「…これはどうですか?」
「うん、いいんじゃないか?」
「これなんてどうでしょう?!」
「うん、いいんじゃないか?」
「…じゃあこれはっ?」
「うん、いいんじゃないか?」
その後も、同じやりとりが何度も続いて夜がふけていった。
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