ブック13
□僕はあの子のライバルです!
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「えっと…あとは…」
目的の商品を手に取ろうと振り返った瞬間
「きゃっ?」
「わわっ」
後ろにいた人にぶつかってしまった。
僕より頭一つ小さかったその人は小さな悲鳴をあげてふらつく。
僕は慌ててその人を見た。
「ごめんなさい!大丈夫?」
「は、はい…っ」
白い肌にピンクの髪が印象的な、人形のような女の子が目に入り、僕は目を見開いた。
―可愛い子…
「ラクス、どうした?」
彼女の後ろの棚から、ひょっこりと顔が出た。
「お兄様」
彼女が嬉しそうにそちらを向き、僕もつられて声の主に目を向ける。
「…アスランっ?」
「え…」
思わず名前を声に出すと、少女に向けられていた翡翠の瞳が僕に向けられた。
「……あ」
僕とアスランはお互いに目を見開く。
「あら、お知り合いですか?お兄様」
僕とアスランの間でキョロキョロしていた少女が微笑む。
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