ブック2

□My Holiday
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「…わあ!」





キラの家を出たラクスは、目の前に広がる賑やかな景色に感嘆の声を上げた。








「お嬢さん、この布どうだい?全て手作業で縫ってあるんだ!」


「まあ、素敵ですわ!」



「見てごらん!幸せを呼ぶという青い鳥だよー!」


「まあ!可愛いですわ〜っ」



様々な出店が立ち並び、たくさんの人々が楽しそうに買い物を楽しんでいる。
自分がこの中にいる、ということがラクスには素晴らしく思えた。


ふと、前から何人かの少女がスキップをしながらこちらへ向かってるのが見えた。





「……………まあ」



じつに楽しそうな少女達。
プラントの王女として生まれたラクスは、常に綺麗な歩き方を要求されていた。


背筋を伸ばして、顎を少し引いて、前を真っ直ぐ見据える。
靴を引きずって歩くのはもちろん、ヒールを鳴らすのもはしたない事だと言われといた。

ポケットに手を突っ込んで歩くのは言語道断。




でも、今ここにラクスを咎める存在はいない。

今ラクスは、プラントの王女としてではなく、ただの女の子としてここに立っているのだ。




「………自由ですわ」










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