ブック13
□知るか!!
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それはあまりにも突然の光景。
【知るか!!】
「ごめんなさい、キラ。わたくし、シンくんが好きなんです」
「……っえっっ!?」
「すみません、隊長。…俺、ちゃんとラクスさんを幸せにしますから!」
互いに肩を寄せ合いながら、キラがこよなく愛する少女と、キラがとても便利だと思う部下が突然キラに告げる。
「ちょっとシン!?何ぬかしてんの?ぶっ潰すよ!?」
いつものようにギロリと赤い瞳を睨んだ。
けど、脅えを滲ませるはずの赤い瞳はひるむことなくキラを見返す。
「俺は!ラクスさんが好きです!あんたには負けません!」
「なっ…シン!!」
怒鳴りつけるも効果なし。シンはラクスの手を引いて、キラから離れていく。
「ちょ、待て!シン!止まれってばシン!!」
キラは力の限り叫んだ。
「シンっっ!!!!」
「きゃああっ」
―ドサッ
「うわっ?」
突然身体に何かが倒れてきた衝撃に、キラは慌てて目を覚ます。
自分の上に、キラがこよなく、何よりも愛して止まない少女が倒れていた。
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