ブック13
□知るか!!
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「…もっ、いきなりなんですかっ」
僅かに上目遣いにキラを睨む少女。
さっきシンに連れて行かれたラクスだ。
キラはぽかんと口を開けた後、肺から空気を全て吐き出した。
―ああ、そうか。
あれは夢だったのか。
「良かった…」
「?」
ラクスは何のことか分からず、きょとんとキラを見つめる。
“可愛いなぁ”とキラが目を細めていると、ふと何やら気まずそうにラクスの瞳が揺れた。
「ラクス?」
「あ…あの、キラは………シンくんがお好きなのですか?」
「は?」
「……さきほど寝言で何度も『シン』と繰り返していらっしゃって…えっと…っ」
そこまで言うと、ラクスは頬を赤く染めて、バリッという音を立ててキラから離れた。
「すみません!立ち入った事をお伺いしまして…っ」
ペコリと頭を勢いよく下げて、バタバタとラクスがキラの部屋を出ていく。
「……ラクス…?」
あれ?あれれ?
なんなんだろう、今の彼女の反応は。
“立ち入った事”?
ん?
あれ?あれれ?
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