ブック13
□君の側で眠る
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プラント最高評議会議長との会話は緊張したが、それ以上にあの部屋に充満する甘く穏やかな空気に戸惑った。
口元に人差し指をそっと押し当てるラクスと、そのラクスの太ももに頭を預けて眠る自分の上司、キラ。
いつも見る、凛々しく穏やかで、時折悪魔のような表情とは異なった、あどけない寝顔。
安心しきったその表情をシンは初めて見た。
(隊長ってあんな顔もするんだ)
そういえば、と
シンは先日見た光景を思い出す。
あの時もキラのストレスの捌け口にされ、気絶しそうなほどの書類をまとめあげ、彼の部屋を訪ねた。
『隊長!』
仕事を押し付けられたイライラから乱暴に扉をあけると、キラは慌てて人差し指を口に当てる。
『静かに。起きちゃうでしょ』
『…はい?』
何が、と言おうとしたが、彼の膝にいる人物に気づいて口を閉ざした。
(ラクス様?!)
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