ブック13
□フォーゲットイヤー パーティー
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見れば、ラクスがキラの肩に頭を預けていた。寝たのかと、顔を覗き込めば、彼女は真ん丸の目をうるうるさせて、キラを見上げている。
そして
「キラ、大好きですわ」
「えっ!?」
突然の愛の告白に驚いたのはもちろんキラだけでなく、彼らの向かいにいるムゥとマリューも固まっていた。
そんな彼らに構うことなく、ラクスは無邪気に微笑んで、今度はムゥの胸に飛び込む。
「ムゥさんも大好きです!」
「ラクス!?」
「…え?ああ、え?ありがとう…?」
また突然の告白にムゥはぎこちなく笑った。
目を見開いて唖然とするキラを不憫にしか思えない。
ラクスは次にマリューに抱きつき、また愛の告白をした。
「マリューさんも大好きです!」
バルトフェルド、シン、メイリン、ルナマリア、イザーク、ディアッカ、カガリと部屋にいる人物に片っ端に抱きついては愛を打ち明けていくラクス。
「私もラクスが大好きだよ〜」
「まあ、嬉しいですわ!カガリさんっ」
互いに顔を真っ赤にして微笑み合う二人。
周囲があきれたように見守っていた。
「あっ、アスラン!」
次の標的にされたのは、ラクスの奇行に目を真ん丸にして固まっていたアスラン。
名前を呼ばれて、やっと我に返ったようで、必死に首を横に振った。
「ラクス!しっかりして下さい!」
「アスラン!わたくし、アスランのことも大好」
「ストップー!!」
アスランに飛び付こうとしたラクスの身体がふわりと舞う。
気がつけば、よく身体に馴染んだぬくもりに抱き抱えられていた。
「あらあら?キラ?」
「…これ以上は、もう駄目」
「??」
目を瞬かせ、首を傾げるラクスにため息をつきながら、
キラは振り返った。
「だいぶ酔っ払ってるみたいなんで、休ませてきます。
皆さんはどうぞ、楽しんでてください」
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