ブック13
□泣いて
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「勝手にいなくなったりしないでよ。一人で、泣いたりしないで。なんのために僕がいるの?」
「キラ…」
ラクスの頬に相変わらず伝う涙をキラは唇で受け止める。
(同じことを思っていたのですね)
自然と頬が緩んでいく。
負の感情でいっぱいだった心が軽くなっていく。
「なら、キラももう泣かないなどと仰らないでくださいますか?」
きょとん、と深い紫色の瞳が瞬く。
「わたくしだって、貴方の涙を受け止めたいのです。
辛いと思うのに笑われるのは嫌ですわ」
そっとキラの頬に手を伸ばす。
頬を撫でて、彼がしたように唇で触れる。
キラは何も言わずに微笑んだ。
笑っていてほしい。
辛いことや、悲しいことがなければいいと願う。
健やかに、穏やかにいてくれたらいいと思う。
でも、辛いことや悲しいことがあったのなら、泣いてほしい。
笑顔で隠さないで、その涙を見せてほしい。
想いは、同じ。
・
+あとがき的なもの+
いまさらながら「よみがえる翼」回の捏造話でしたー。
あまりにもキララクが不足してしまってネタが浮かんで来なくなったので、本編でキュンときたとこをチマチマ捏造してこーと思いますだー。
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