ブック5
□騎士と姫君
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この手がなかったら、今この人はここにいないだろう。
あの時も今も。
今、こうやって立っている自分すらいなかったはずだ。
「…この手があって、本当に良かった」
血濡れた汚い手だけど、
君に触れる度に、この手に感謝をしてる。
「君を守れるこの手に感謝してる」
ユーフェミアが黙って、震えるスザクの手を握る。
「…ありがとうございます、スザク。」
ゆっくりとスザクの大きな手を撫でれば、
その手の震えが止まる。
「………ユフィ」
「はい」
「これからずっと、君を守っていくから…」
貴女の騎士として
君の一番近くにいる男として
「ずっと、守る」
「…はいっ」
END.
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