ブック5
□Get Backers
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【夢】
今日もHONKY TONKに
元気な少年少女の声が響く…。
「ねねねぇ!夏実ちゃんの夢って何!?」
「私の夢?」
カチャカチャと音を奏でながら食器を洗うこの店の看板娘、夏実に
カウンターから身を乗り出して尋ねる奪還率ほぼ100%の奪還屋の片方、銀次。
店主である波児はつまらなそうに煙草をふかしている。
「ん〜、そうだなぁ……あ!そうだっ☆」
「何なに!?」
瞳を輝かせて、何かを思い付いた夏実に迫る銀次。
「日本一のコーヒー屋さん!」
波児が吸う煙草の葉が落ちる。
「……………えっ?」
「あとねぇ、胸も大きくなりたいしぃ…あっ、ラッキーとお喋り出来るようになりたいな!あとね、学校のテストで100点もとりたいし、それとねぇ〜…」
一度語り出せばキリがないくらいに夏実の口から「ああなりたい」「こうなりたい」という言葉が並べられていく。
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