ブック5

□幸せのワケ
2ページ/2ページ






「へぇ、すごいな。ナナリー」




お兄様の楽しそうな声が聞こえた。



「こんな難しそうなの折れるなんて、ナナリーは本当にすごいよ」



ポンポンと、お兄様の優しい手が頭を撫でる。




優しい手、優しい声。

私はお兄様が大好き。
お兄様が笑っていてくれたら、私はそれだけで幸せになれるし
元気でいられる。





「…お兄様?」



「うん?」




ねえ、お兄様。
私はお兄様がいてくれて幸せです。



どんなに「ありがとう」と伝えても足りないくらいに、感謝してる。




「……なんでもありませんっ」



「え、ナナリー?」



「ほら、早くご飯食べましょ?お腹ペコペコです!」





お兄様が幸せになれるように、私にも何か出来たら良いのに…。





「はは、ナナリーは食いしん坊だからなぁ」


「お兄様っ!」












END.
戻る
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ