ブック5
□幸せのワケ
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「へぇ、すごいな。ナナリー」
お兄様の楽しそうな声が聞こえた。
「こんな難しそうなの折れるなんて、ナナリーは本当にすごいよ」
ポンポンと、お兄様の優しい手が頭を撫でる。
優しい手、優しい声。
私はお兄様が大好き。
お兄様が笑っていてくれたら、私はそれだけで幸せになれるし
元気でいられる。
「…お兄様?」
「うん?」
ねえ、お兄様。
私はお兄様がいてくれて幸せです。
どんなに「ありがとう」と伝えても足りないくらいに、感謝してる。
「……なんでもありませんっ」
「え、ナナリー?」
「ほら、早くご飯食べましょ?お腹ペコペコです!」
お兄様が幸せになれるように、私にも何か出来たら良いのに…。
「はは、ナナリーは食いしん坊だからなぁ」
「お兄様っ!」
END.
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