ブック5
□行方知らず
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そして猫は、大人しくスザクの腕に抱かれて
生徒達の前に姿を現した。
その後、
この時の出来事と、
ルルーシュがスザクを「友達」だと公言したことがきっかけで、
スザクは大分このアッシュフォード学園の生徒達と交流を交すことが出来るようになった。
一人教室に残ったスザクは、ポケットから布を取り出す。
それは、猫の前足に巻かれていた包帯。
騒ぎの後、スザクがこっそり取っておいた物だ。
猫の怪我は痕もなく消えていた。
もし、次にユーフェミアと会えたなら猫のことを教えてあげなくては…。
そう思いながら、スザクは微笑む。
その時、強い風が教室に流れ込んだ。
「あっ……!!」
包帯が風に吹かれ、スザクの手を離れる。
―ヒラリ、ヒラリ…
包帯は、風に乗って何処までも飛んでいった。
【行方知らず】
END.