ブック5
□行方知らず
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猫は首を傾げ、ニャアと鳴いた。
果たして、猫は何て言ったのだろう。
“知らない”なのか
“覚えてるよ”なのか、それとも何の意味もないのか。
「…とにかく、おいで?」
スザクは手を伸ばした。
今度は噛まれません様に、と願いながら。
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