ブック4
□「こころの変化」 V
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「シンって、最近付き合い悪いのよねぇ。」
とあるカフェの一角に、ケーキを頬張りながら不満を漏らす少女が一人。
黙ってそれを聞く少年と、乾いた笑いを見せる少年が一人ずつ。
「遊びに誘うと用事があるから〜なんて言って出掛けちゃうし
用事って何?って聞いても答えないしっ」
乾いた笑いを見せる少年ことヨウランは
少女に見つからない様に息をはく。
確かに、少女の言う通りシンは最近付き合いが悪くなったと思う。
気付けば、彼は昼には消え夜にいつの間にか帰って来ている。
自分も彼に何をしているのか聞いた事があったが、彼は顔を真っ赤に染めてしどろもどろになった。
どちらかと言えば、ヨウランはアッチ方面の勘は鋭い。
シンのその態度だけで何かを感じとっている。
それをシン本人に言わないのは、彼なりの気遣い。
まだ、初なシンにその事を追及してしまえば
きっとシンは頭から煙をはき出して噴火してしまうだろう。
もしかしたら、
上手くいくものが、いかなくなってしまうかもしれない。
シンから何かを言うまで、ヨウランはめちゃくちゃ気になるけど辛抱強く待とう!
と、決めた。
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