ブック4
□「始まり」 V
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『ランララァ』
ステラは全身を使って歓びを表している。
そんなステラを
微笑ましく見ている少年がいた。
『楽しそうだなぁ』
シンは、ステラを見てそう呟く。
『あっ』
―バチャン!
『あ!?』
シンは、目を見開いた。
水辺でくるくる舞っていた少女が足を砂に捕られて、転んだ。
『…冷たいっ!』
『ちょっと、大丈夫!?』
シンは慌ててステラに駆け寄り、座り込んでいるステラを抱き上げた。
―ステラは、その時の事を鮮明に憶えている。
すごく楽しい気分だったのに、転んでしまったせいで
とても悲しくなってしまった。
そこへ現れた
燃える様な赤い目の少年…。
―トクン…
今までに感じた事のない感覚にステラは
自分の頬が熱くなっていくのが分かった。
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