ブック4

□「始まり」 V
3ページ/8ページ



『ランララァ』




ステラは全身を使って歓びを表している。





そんなステラを
微笑ましく見ている少年がいた。






『楽しそうだなぁ』




シンは、ステラを見てそう呟く。





『あっ』



―バチャン!



『あ!?』




シンは、目を見開いた。





水辺でくるくる舞っていた少女が足を砂に捕られて、転んだ。




『…冷たいっ!』



『ちょっと、大丈夫!?』




シンは慌ててステラに駆け寄り、座り込んでいるステラを抱き上げた。
















―ステラは、その時の事を鮮明に憶えている。



すごく楽しい気分だったのに、転んでしまったせいで
とても悲しくなってしまった。




そこへ現れた
燃える様な赤い目の少年…。






―トクン…




今までに感じた事のない感覚にステラは
自分の頬が熱くなっていくのが分かった。








次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ