ブック4
□「始まり」 U
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気付くと、すぐ目の前にカガリの顔がある。
「さっきからボケっとして…お祭り行くぞ?」
カガリはキラとアスランの腕を掴んで、歩き出した。
「あ…うん。」
キラは呆気に取られたように歩き出し、活気に溢れた人々の中に入っていく。
「…仲が良い、んだね。ここって……。」
ふと、キラが呟いた。
アスランもカガリも不思議そうにキラを見る。
「何が?」
カガリが尋ねる。
「人と妖精…だよ。」
「当たり前だろ?」
悲しそうに呟いたキラに、カガリは当然のように答える。
「変なのー。当たり前な事言って。」
「……当たり前、かぁ。」
キラはもう一度
人々を見回す。
“人間”と“妖精”
容姿だけならば
違いはない。全く同じだ。
しかし、『何となく』分かる。
あの人は人間
あの子は妖精
今、この祭りに集まっている人々の半分は妖精だ。
不思議な感覚に襲われる。
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