ブック3
□死に逝く鳥に愛の言葉を囁いて/X
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「…ずっと伝えたかった…」
震えた声が、耳に届いた。
「私には時間がありませんから…」
「この瞬間」は
「永遠」にならなかった。
「…どうしてそんな事…そんな事言わないでよ……!」
雨でも隠し切れない涙が、互いの視界を歪ませていく。
「お願いだから逝かないで…。」
振り絞った声は枯れていた。
「姉さんがいなきゃダメなんだ!」
祈り
「僕を独りにしないで…」
果てのない願い。
「ごめんなさい、キラ…。」
その全てを否定する言葉。
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