ブック3
□死に逝く鳥に愛の言葉を囁いて/W
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僕は、あれ以来毎日のように彼女の病室に行ってたから
彼女がいない事にすぐ気付いた。
傘をさすのも忘れて、病院を飛び出した。
雨が邪魔をして、視界がぼやける。
彼女が行く様な所なんて分からないのに
ただひらすらに走る。
一月の雨は冷たくて
まるで槍のように僕の肌を刺す。
寒さで体力が奪われて、疲れが全身に伝わっていくけれど。
休もうなんて、これっぽっちも思わなかったんだ。
だって、彼女がどこにもいないから。
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