ブック5

□追伸
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――あの時、僕は「僕も子供の頃に戻りたい」って言ったよね。
7年前の、初めての友達が出来たころに。

今度こそ間違わずに、正しい方法を選んで、僕は僕の大切なものを守りたかったんだ。



ねぇ、ユフィ。
君を失ってから、君を思い浮かべて、もう一度考えてみたんだ。
君の言葉をなぞってみたんだ。



僕は、僕はやっぱり、子供の頃に戻りたいって思ったんだよ。
もう戻れないあの夏の頃に。


あの夏に、僕は父さんを殺した。そのせいでたくさんの人が死んで、初めての友達と離ればなれになってしまった。
そして僕は名誉ブリアニア人になった。


君の言う通り、
辛かったり、悲しかった出来事を乗り越えてきた先で僕たちは出逢えたんだよね。
乗り越えなければ、きっと逢えなかった二人だから。


君と出逢えたことは、暗闇の中で独りぼっちだった僕にとってすごく温かくて幸せなことなんだと思う。



僕も、君に逢えないのは嫌だ。君のぬくもり、優しさがなにより大切だから。
君への愛しさが、大きすぎて。今さら君がいない日々なんて、辛すぎる。






でも、僕たち。
出逢わなければ、君は死なずに済んだと思うんだ。



あの時、僕が父さんを殺さなければ。
僕がルルーシュを止められていれば。

きっと君は副総督としてここへ来ることにはなかなかったし、
ルルーシュがゼロになることもなかったんだ。

君がゼロに、殺されなかったかも知れないんだ。




僕は例え君と出逢えなくても、僕は君に生きていてほしかった。
遠いかの地で何にも脅かされず、健やかに過ごしていてほしいんだ。


君と逢えないことは、とてもつらいけれど。
君が死んじゃうよりずっとずっとずっといい。



だから、やっぱり子供の頃に戻りたい。
君が死なない未来を選びたい。




―ユフィ。
これが僕の答えだよ。
この答えが決して君に届く事はないんだろうけど、どうしても伝えたかったんだ。








涙が染みて、滲んでしまった文字たち。
掌で必死に溢れる涙を拭いながら綴った手紙を、便箋に入れてスザクはユーフェミアの棺にそれを置いた。



「…ユフィ。君のペン、もらっても良いかな。すごく、使いやすいんだ」



あの時、彼女に嘘をついたときのように、スザクは笑ってみせる。





「またね、ユフィ……」











P.S
ユフィ、いつまでも君が大好きだよ。








(もし、生まれ変われるのなら、今度こそ君を幸せに)









僕は、君からたくさん幸せをもらいました。
















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