ブック3
□彼と彼女の叶わなかった恋 中編
3ページ/8ページ
逢う場所は決まってこの桜の木の下。
どこへも行かず、ただ互いの時間を共有するデート。
春、夏、秋、冬
季節は巡り、3年の月日が過ぎた。
『え…結婚!?』
『学校を卒業したらすぐにと…言われました…。』
『そんなっ…!』
その相手は彼ではなく、知らない貴族の青年。
『…貴方にも、そういう方がいるのでしょう…?』
彼の方にも、幼少より定められた相手がいた。
自分達は結ばれない。
分かっていた、惹かれ合ったその頃から。それでも、一緒にいたかった。
→