ブック3
□僕等のお家 2
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「…う、ん〜…」
まだ眠いのに、何故か目が覚めてしまい
ステラは身体を起こしながら目を摩った。
ふと、隣に何かいる事に気付いて目を向ける。
「……え…」
そこには気持ち良さそうに眠るシンがいた。
ステラの眠気は吹き飛び、シンに夢中になる。
ステラは一人で眠るのが淋しくなる時、
よくシンの部屋を訪ねる。
その際、彼はだいたい眠っているのだが
ステラの気配を感じるとすぐに飛び起きて
彼女を迎えてくれていた。
朝だって、ステラは朝が苦手だからシンの方がいつも先に起きてて、
だからステラは彼の寝顔を見たことがなかった。
「…可愛い…」
初めて見たシンの寝顔は、本当に可愛くて、愛しい。
ステラは吸い込まれるかのように、シンの唇に自分のそれを寄せた。
「…シン、好き」
ほんのりと頬が熱を持ち、何だかくすぐったい気分になる。
ステラはベッドから飛び降りて、部屋を出て行く。
とても不思議だ。
顔も胸も、全身が熱いから。
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