ブック2

□知らなかったのは
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ラクス・クライン




プラント一の歌姫であり、当時の最高評議会議長シーゲル・クラインの娘。




彼女は誰からも愛されて
戦争とか国交問題、コーディネイターの出生率とかの
そういう難しい事とは無関係な場所にいた。











ラクス・クラインは
何も知らず
ただ無垢な幼い少女。





俺はそんな既成概念を自分に植え付けてた。






だから、俺は彼女に自分の弱いところも幼いところも全てを晒け出そうとしない。
躊躇していた。







ラクスも俺に自分を晒そうとはしなかったし。






でも、今になって思えば俺が最初からラクスとの間に
一本の線を引いていたからなんだ。






ラクス・クラインはこうだから、そういう人なんだな、と線を引いて遠ざけた。







彼女は何度も何度も、その線を越えようとしてくれていたのに
俺はそれに気付こうともせず…。





事あるごとに拒んでしまった。









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