ブック2

□My Holiday
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何も着ないで寝る
とか
街を気ままに歩く
だとか
雨の中を歩く


何の変鉄もないようなつまらない事だけれど私にとっては夢みたいに素敵な事。



…きっと、一生出来ないんだろうなぁ。って、思っていた。




「こんなネグリジェは嫌いですわ」



「あら、よくお似合いですよ」



まるで100歳のお婆さんが着るような全く露出度のないネグリジェ。
金やプラチナで出来た、大使館の豪華な一室。




私、ラクス・クラインは“歴史ある国の王女”として、各国々を旅行中。


…と言っても楽しい事、愉快な事なんて何一つなく



公式行事に追われ、きっちきちのスケジュールと決められた台詞に縛られて。




「何も着ないで寝る方がいらっしゃるのをご存知?」


「存知ません。それより…」




極めつけは



「お休み前のミルクです。よく眠れますよ」


睡眠薬入りのホットミルク。



全てが嫌で嫌で!


私は思った。





“ちょっとくらい、自由になってもいい”







―深夜
私は、クリーニング屋らしき車の荷台に隠れて大使館を抜け出した。






明るい暗闇
賑やかな街並み





“彼に”出会うまであと少し―…







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