ブック2
□ホットコーヒー
3ページ/10ページ
「これは、貴方専用のコーヒーなんですよ。」
「へ?俺専用、ですか?」
アスランは余計に分からなくなり、その場に棒立ちしてしまった。
「アスランはどうしてこちらに?」
「は?」
「今日はキラに会いに来るのでしょう、なぜ真っ直ぐに家に行かれないでここに?」
今朝、マルキオ邸にアスランから電話があり、夕方に遊びに来る事になっていた。
そのためにラクスは切らしていたコーヒーを買いに来てるのだが、アスランがなぜこのショッピング街にいるのか見当がつかない。
アスランは少し頬を染めた。
「えっと、久しぶりですから、あなたに花でも…と思いましてっ。」
「まぁ、ありがとうございます!」
アスランの心使いに、ラクスは素直に喜び表情を綻ばせた。
「いや、まだ買ってないので…」
「じゃぁ、お付き合いしますわ!」
「へっ?…あ、はい。」
アスランは一瞬戸惑ったものの、どうせなら彼女に好きな花を選んでもらったほうが良いだろう、と思い付き承諾した。
→