ブック2

□幸せの鐘が響く時
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この日をどんなに待ち焦がれていたのか…


慣れない純白のスーツを身に纏って、その姿を鏡に写す

両手を広げてくるっと一回転


「…何やってるんだ、キラ」


耳によく馴染んだ親友の声
相変わらず眉間にしわを寄せてそこに立っていた


「やぁ、来てくれたんだ。アスラン!」

「当たり前だろ…?」


アスランは優しく微笑んでキラの肩にそっと手を置く


「よく似合ってるよ」

「ありがとう」



アスランは一呼吸おいてキラに呟いた


「本当におめでとう」

「うん、ありがとう」




天気は快晴
吹く風も僅かに心地の良い春

キラは新たな一歩を踏み出す




「そうだ、ディアッカやイザーク…ムゥさん…みんなもう教会に集まってたぞ」


「へっ?みんな来てくれたの!?」


信じられない!と言いたげに、キラは目を見開いた



「当たり前だろ?だって、今日はお前とラクスの結婚式なんだから」


「そうだけど…みんな忙しいし…」


「まぁ、ちょっと大変だったけど…今日はお前達にとっても、俺達にとっても大切な日だからな」

アスランにしては珍しい、イタズラっ子みたいに笑った



ちょっと、なんて言うけど今やアスランにイザーク、ディアッカは世界のために働く忙しい身の上

そんな重人が忙しい中、集まってくれた



それが嬉しくて込み上げてくるものを抑えられない


「待て!それは最後にとっておけ!」


アスランは慌てたようにキラの背中を叩いた

「はは…つい」



泣き虫は相変わらずだな、とアスランは苦笑した
キラもつられて笑った







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