ブック1
□いない
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「――――……ん…?」
膝が軽くなったような気がして、ラクスは目を開く。
時計を見ると、眠りに就いてから一時間くらいたっていた。
「…………キラ?」
眠る前には確かにいたキラがいない。
「キラー?」
子供達はまだ寝ているようだから、彼等を起こさない程度に、
少しだけ声を上げた。
返ってくる言葉はない。
急に、得体の知れないざわめきがラクスの胸に去来する。
これは…恐怖だ。
キラがいないという、恐怖。
ラクスは飛び上がり、キラを探して、家の中を走り回った。
しかし、
キッチンやキラの部屋、ラクスの部屋、
テラスにも風呂場にもキラはいなかった。
リビングに戻ってきたラクスはその場に座り込んだ。
ヘナヘナと足と腰の力が抜けていき、もう立てない。
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