ブック1

□子守唄
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「どうしましたの?」


突然のキラの行動に、ラクスは戸惑いながら問う。



「僕も眠たくなっちゃった」



片手でラクスの髪に触り、クルクルといじりながら呟く。



「僕のために子守唄、唄ってくれる?」



キラはにっこり、とラクスに微笑む。



「キラは子供ですか?」



クスクス笑いながら、ラクスはキラの頭を撫で始めた。



その手の優しさにキラは気持良さそうに身をよじる。



「なんで?」


「だって、とても甘えん坊さんなんですもの」



おかしそうに笑うラクスに、キラは溜め息をつきながら言った。



「…子供だよ?ラクス限定で。」




ラクスの子守唄。
子供達にだけ唄われるなんて、嫌だよ。



音にならない言葉を、キラは心の中で呟く。


目をパチクリさせていたキラは、「仕方ありませんわね」と嘆息した。




そして響くメロディ。


それはラクスがキラのためだけに歌う優しい優しい子守唄。







END.



2006/12/11修正
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