ブック5
□今日は7月11日
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真ん丸の瞳に涙をいっぱいに浮かべたユーフェミアが、スザクを見下ろしている。
「どうしたのユフィ!どこか痛い!?」
「どうしてもっと前に言ってくれなかったんですかあっ…?」
「………は?」
ポロ、とついに彼女の瞳から涙が零れた。
「7月10日って、昨日じゃないっ。わたし、知らなかった…!
だから…っ、貴方に何も…っ」
う〜っと唸りながらスザクを睨むユーフェミア。
(そんな顔しても全然怖くないのに)と思いながら、スザクは首をかしげた。
「…もしかしてユフィ、もっと前に僕の誕生日を教えてたら、祝ってくれてた?」
「当たり前です!」
怒った様にきっぱり言い切ったユーフェミアに、スザクは苦笑する。
「……そっか」
スザクは腰を浮かせ、ユーフェミアの瞳に溜まる涙に口付けた。
「それは惜しいことをしてしまったな」
そのまま、今度は彼女の額に口付ける。
柔らかなスザクの唇に、ユーフェミアの頬は赤く染まった。
「もうっ、スザク…っ」
ユーフェミアは赤く染まってしまった頬を隠そうと、スザクに掴まれていた手を外そうとする。
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