ブック5

□反逆の仕方を
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―わたくしが騎士とするのはあちらの方です。





これは反逆。

暖かな絵を、イレブンの血が流れた人の描いたものだからと、軽蔑の目を向ける彼に。

イレブンだからと、
命を危険に晒しながら戦うあの方を否定する彼らに。

一人では何も出来ないと、わたしを認めようとしてくれないお姉様に。




初めての、大きな反逆。





「それで僕を」


「…すみません」


翡翠の瞳が真っ直ぐに少女を見つめる。
戸惑いも喜びも呆れも、何も含まれていない瞳で。

あまりにも無表情なその瞳に、ユーフェミアは、彼が怒っているのだと思い、小さく謝罪した。



「どうして謝るんですか」

「だって…、貴方に何も言わず、わたくしのワガママで貴方を巻き込んでしまいました」


―彼にとってはいい迷惑だ


思い立つとすぐ行動に移す。
そんな自分の癖を治したいと何度思っただろう。

こんなに今、後悔してるのに、治せる自信が全くない。



「ユーフェミア様」


軽い溜め息が聞こえた。


「……はい」


「…いや、…ユフィ」



呼び方を変えた彼に、ユーフェミアは目を張る。












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