ブック5
□幸せなハロウィン
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「お菓子だよ!」
「え」
「今日はハロウィンだからねっ」
にっこりと微笑んだスザクに、ユーフェミアは苦笑する。
確かに今日はハロウィンで、自分はスザクにお菓子をもらうつもりで特派にやって来た。
だけど、ハロウィンのお決まりの台詞を言う前にお菓子を貰えるとは。
「スザクはせっかちさんですね」
順番が違いますよ、とユーフェミアはクスクス笑い出す。
そんな彼女を見て、初めてスザクは自分がハロウィンの順序を無視したことに気付いた。
「え?あっ、ごめんっ。早くユフィにコレを渡したくて、忘れてた…」
恥ずかしさと申し訳なさが入り混じったようにスザクは笑う。
「スザク、謝らないで。わたし嬉しいですから」
「嬉しい?」
「ええ!だって、こうしてお菓子を用意してくれたと言うことは、わたしとハロウィンをしようって思ってくれていた、ということでしょ?」
スザクは黙って頷く。
生徒会で会長からハロウィンを教えてもらった時、すぐにユーフェミアの顔が浮かんだ。
彼女はこういったお祭り事が好きそうだな、と。
彼女ともハロウィンが出来たら良いなと思い、それで会長にお菓子をお裾分けしてもらったのだ。
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