ブック5

□光溢れた日、その瞬間
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だけど、あの人はこんな自分に手を差しのべた。


あの人はきっと、『枢木スザク』の可笑しさを何も知らない。
僕が死にたいと願っていることも、
俺が生きたいと願っていることも。


ユーフェミア・リ・ブリタニアは何も知らない。

僕だって、あの人の事を何も知らない。



それなのにあの人は、僕に自分を好きになるように訴え、そして自分が僕を好きになると伝えた。


『枢木スザク』という人間の全部を大好きになる、と。




―眩しいくらいの光が、射した気がした。
いつくもの扉の奥に隠れていたのに、
あの人はいきなりそれらを開け放ち、光を差し込める。

最後の扉も、あの人によって呆気なく開かれてしまった。





ねぇ、僕に好かれて良いの?
俺が好きになって良いのか?
そして、こんな僕を好きになってくれるの?
こんな俺を受け入れてくれるのか?











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