ブック5
□例えば、こんな寒い日に
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それはそれは寒い日だった。
出仕した昌浩ともっくん、六合が風邪を引いたりしないだろうか。
でも、式神であるもっくんや六合が
おそらく風邪などは引かないはず。
昌浩は…たぶん、もっくんを首に巻いて、いつもの様に
「孫言うな!物の怪のもっくん!」
「物の怪言うな!晴明の孫!」
と口喧嘩をして体を暖めているかも知れない。
でも、やはり心配なものは心配…。
そんな事を延々と考えながら、彰子は昌浩の衣の破れた箇所を縫っていた。
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