ブック3
□死に逝く鳥に愛の言葉を囁いて/U
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「はい、お守りです!」
試験日当日の朝。
試験会場に向かおうと家を出ようとしていた時に呼び止められて、突然突き出されたソレ。
「本当は落っこちてほしいんですけど。」
僕のしょげた姿はみたくないから、あげる。
彼女はそう言って、人の鞄に勝手にお守りを結んだ。
僕が外部受験をする理由を彼女が知っていたら、こんな風にお守りをくれただろうか?
離れてほしい。
そう思って、お守りを結ぶのだろうか?
「ありがとう、姉さん。」
「どういたしまして!頑張ってくださいね、キラ。」
彼女の笑顔に見送られ、僕は一歩を歩き出した。
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