ブック3

□僕等のお家 2
1ページ/9ページ





「ん〜…、もう起きちゃうの…?」


腕にあったぬくもりが無くなり、無意識の淋しさで目が覚める。


「あら、起こしてしまいましたか?」


「…うん」


キラはベッドに身体を沈めたまま目を擦る。
その仕草が可愛くて、ラクスは微笑んだ。


「…なに?」


自分を見て微笑んだラクスに、キラは首を傾げる。



“仕草が可愛いです”
なんて言ったら、キラはどんな反応をするのだろうか、と気になったが



「何でもありませんわ」



危ない橋は渡りたくない。


「……?
それより、まだ寝てようよ」


身体を起こしているラクスに、キラは上目使いで呟く。


「………っ」



―〜上目使いはズルイですわ。

ラクスはキラの上目使いに弱い。
キラもそれを知りながら、ワザと使ってくるのだから罪な男だと思う。


「…朝ごはん、作らなければなりませんのに」


すねた声で、ラクスは渋々ベッドに戻る。


そんなラクスが可愛くて、キラは彼女の頭を撫でた。



「大丈夫、大丈夫!僕も手伝うから」


優しい笑顔を向けられ、ラクスは眉を寄せた。


「絶対ですからね?」


「はいはい」



キラはラクスの頬にキスを贈り、満足そうに笑って
再び眠りに就いた。








次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ