ブック2

□桜散りて、彩る恋
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【桜散りて、彩る恋】







ハラリ、ハラリ


何枚も何枚も
その白い頬をかすめながら舞い散る
春の名物史―桜。






空中を薄紅色に埋め尽さんばかりの花びら達は
すでにいくつも散りゆき
今度は大地を薄紅色に埋め尽そうとしている。







「ラクスー?」




「キラ…」






ただ花びらの散り行く桜の下に立っていたラクスに、キラが呼び掛けた。




「どうしたの?」




「…淋しいなぁ、と思いまして」





ラクスはゆっくりと
キラの肩に自分の頭を預ける。



それに応えるように
キラはラクスの腰に手を回した。





「どうしてお花は、散ってしまうのでしょうか?…あんなに綺麗なのに」






ずっと見ている事が出来なくて、淋しい。




ラクスはそう言うと、溜め息をつく。








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