ブック2
□Rain Days
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決まった時間に太陽が昇り
決まった時間に沈む
風の強さも、気温も予報通りで――…
“予報”などではないか
決まっていることなのだから。
「嘘つき」
干したばかりの洋服達を慌てて部屋に取り込む少女は呟いた。
「今日は晴れるって、おっしゃってたじゃないですか」
横目でテレビの大画面を睨んだ後、ゴロゴロ唸る空を見上げる。
「…あ」
少女はふと思い出した。
「キラ…傘を持っていなかったですわ」
――ポツ、ポツ
恵みの雨が大地を濡らし始める。
雨は止むことを知らず、結局まる一日中降り続いた。
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