ブック2
□知らなかったのは
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俺はラクスを好きだったと思う。
彼女と過ごした時間は苦じゃなかったし
俺自身、ラクスを大切にしたいと思っていたし。
ただ、俺はラクスを見ていなかった。
俺が見ていたラクスは、俺の中の彼女でしかなかったんだ。
本当のラクスは
俺が知っているラクスとは全く違う人物のように思えた。
そして、誰よりも
俺を理解していてくれてた。
俺も彼女を理解しているつもりだったのに
本当にただの“つもり”だった。
結局、ラクスが隣にいてくれた時に
それに気づくことはなかった。
だって俺がその事に気づいた時、すでに君は俺の隣にはいなかったのだから。
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