ブック2

□知らなかったのは
1ページ/7ページ






俺はラクスを好きだったと思う。






彼女と過ごした時間は苦じゃなかったし
俺自身、ラクスを大切にしたいと思っていたし。







ただ、俺はラクスを見ていなかった。






俺が見ていたラクスは、俺の中の彼女でしかなかったんだ。







本当のラクスは
俺が知っているラクスとは全く違う人物のように思えた。








そして、誰よりも
俺を理解していてくれてた。









俺も彼女を理解しているつもりだったのに







本当にただの“つもり”だった。










結局、ラクスが隣にいてくれた時に
それに気づくことはなかった。







だって俺がその事に気づいた時、すでに君は俺の隣にはいなかったのだから。









次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ