ブック1
□恋人がサンタクロース
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12月…
年に一度だけ訪れる聖なる夜に、誰もが心踊る日…
一年間良い子でいたら、サンタクロースが空翔ぶソリでプレゼントを届けにやってくる、
大人も子供も、みんなが笑顔になれる日
それがX'mas―12月25日である。
マルキオ邸では、
ラクスとカリダが作ったご馳走に子供達がもう待ちきれない!と、言わんばかりに大騒ぎしていた。
「うわぁ!おいしそ〜」
「お腹空いたぁ〜、早く食べたぁいっ」
リビングを駆け回る子供達に、キラは苦笑しながら叫ぶ。
「みんな、早く食べたいなら、ちゃんと手を洗わなきゃダメだよーっ?」
普段よりも少しだけ大きな声に子供達は、一斉に
「「はぁーい!」」
と言って、洗面所に駆け込んで行く。
それを近くから見ていたマルキオやマリュー、バルトフェルドが温かく見守っていた。
「いやいや、キラもすっかり坊主達の扱いになれて…」
コーヒーを飲みながら、バルトフェルドが笑う。
それに、マリューが相槌を打つ。
「本当に、主夫って感じよね〜」
それを聞いたマルキオもうんうん頷いた。
キラに言われた通りに手を洗ってきた子供達は我先にテーブルへと並び、目の前の食事に目を輝かせる。
キラは首を巡らせて、カリダに尋ねた。
「母さん、ラクスは?」
先ほどから、ラクスの姿だけが見えない。
不安気な息子にカリダは苦笑して、指を差す。
「まだキッチンにいるわよ。呼んで来てくれる?」
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