ブック5

□信じたくない
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――ポロリ。



一粒の涙が蒼い瞳から零れた。










大事な友達だった。

いや、違う。

彼女は友達よりももっとずっと自分の傍にいて、当たり前に笑ってくれる人だった。







そんな彼女が死んだ。

任務を終え、今にも眠りに就こうとしていた自分に、告げられた。






─第3皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアが亡くなられた─と。









─イレブンを大量虐殺して、テロリストに殺された─と。












『世界がもっと優しければ良いのに』







違う。
彼女は、ユーフェミアは、ユフィは!


そんなことをする人間じゃない。
そんな死に方をしなきゃいけない人間じゃない!











『ねぇ、ジノ』





「…なんで、こんなところにいるんだろう」








守りたかったのに、彼女を。








「…どうして、なんだ…」










守りたかったから、力も立場も手に入れたと言うのに。








『生きてね、ジノ』










守りたかった彼女は、遠く離れた彼の地で死んだ。
傍にいることも、守ってあげることも出来ずに。












end.
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