―何を犠牲にしても守りたいと思う人がいる。
暗闇の中で、固く閉ざした扉を開き、光を差し込んでくれた彼女。
この想いが恋なのだと、そう気付いたのは、彼女の手を取った時。
騎士証を彼女の掌ごと自分の手で包み込んだあの瞬間。
彼女の手の暖かさ、小ささに泣きたくなった。
まだこんな、あどけなさを残した少女なのに。
彼女は自分をこんなにも優しく包み込んでくれている。
―触れていたい
いつの間にか、
そう思うようになっていた。
あれから少し時が経ち、僕は彼女と1つになった。
胸の中で、力なく眠る少女。
主として仕えるべき人と、僕は愛しあった。
何度も何度も彼女を僕で満たし、僕も彼女で満たされたのに、
触れていたいという欲が止まらなくて。
結局、彼女が意識を失うまでソレは何度も繰り返された。
でも、まだ足りない。
もっともっと彼女で満たされたい、彼女を満たしたい。
目を閉じて、
さきほどの彼女を思う。
何度も達せられ、とうに限界を超えてたのにも関わらず、
僕に求められるがままに乱れる少女。
涙がいくつもの筋を作り、柔らかな頬を濡らした。
苦しそうな吐息、時折漏れる甘い声。
彼女の身体の暖かさに涙が零れた。
何よりも守りたいのに。
彼女を苦しませたくなんか、ないのに。
何よりも愛してるから、衝動を止められない。
もっと苦しませたいと思ってしまうよ。
「…ごめんね、ユフィ」
彼女の額に口付けた。
「ねぇ、ユフィ
早く目を覚ましてよ。
また1つになりたいんだ」
求めずにはいられない、僕の全てが愛してる君を。
end.
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