*過去拍手話A

□HOME SWEET HOME〜first road〜
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「一路、疲れちゃったんだね」
「ああ」
「頑張ったもんねぇ」
「そうだな」






結局、自宅に帰り着いた頃には一路はもう夢の中で。
父の日のパーティーは明日に延期。






「男の勲章ってやつだねっ」






織姫がそっと触れる指の先。
一路の右頬には大きな絆創膏、両膝には小さな絆創膏が一枚ずつ。
消毒するときもきっと沁みただろうに、歯を食いしばって泣くのを堪えて「痛い」とは絶対に言わなかった。
そんなところでも思わぬ成長を感じて、俺の方が泣きそうになったり。







「大きくなるのは嬉しいけど、ちょっぴり寂しいね」
「それ、俺も同じこと思った」
「最近、涙腺が弱くって」
「織姫はいつもだろ」
「あ、ひどい」







ぐっすりと夢の中の一路は、どんな夢を見てるんだろう?
今日のおつかいのことかもしれないし、大好きな弟と遊んでいることかもしれないし、もっともっと違うことかもしれない・・・。





今日のおつかいのことを、きっといつかは忘れてしまうんだろう。
でも、俺は忘れないでいよう。
そうして、一路が大きくなったときに、いつか一路が俺と同じ立場になったときに教えてやろう。






だから一路、大きくなれ。
これからも、どんなことがあっても、もっともっと。






俺も、お前に負けないくらいでかくなるから。






そう心に決めた、とある日の出来事。














*2014.06.15

しょげないでよベイベー♪


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