□絡まった愛
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ドタドタ…
がちゃ

同じ家にいるはずなのに走る足音
勢い良くドアが開く

「仁ー。こないだのゲーム貸して」

Pこと山下。
わけありで俺、赤西の家に居候中

「もってねー。つか、お前が持ってるままだ」

同じく違うゲームを床に座ってしている俺はそう答えた

Pには部屋を一つ提供している

「そっか。じゃ、また探してみるか」

がちゃ
ドタドタ



Pが俺の家に来て1ヶ月。

一見家出に見えるが…









まぁ、家出なんだけど。
何でかは…多分俺のせい
ていうか、家出は俺への口実。


ホントは見張り


「じ…ん?おはよぉ」

ベッドから目を擦りながらムクッと起き上がる影。

「上田。ごめん起こした?」

…ていうか今、昼過ぎたけどな

「ううん。…今の山下くんだろ」

ふわぁ…とあくびを一つしながらPの話題を出す

「うん」


上田は家出…ではなくPを好きでそばにいたいと言って、無理矢理俺の家にいる


だから

「山下くんってかっこいいよな〜。…暇だし、山下くんのとこ行ってこよ」

というセリフが日常茶飯事。


暇って…おい。


上田はぴょんっとベッドから降りて、俺の返事を聞かず出ていく

その上田の姿を見て、ぎょっとした
出かめの白のYシャツ一枚にパン一だった
…まぁ、俺が着させたやつだけど、あんな似合うとは。


おーい
その格好でいくのかー

と内心で叫んだ







しばらくして




二人でゲームをしているのか笑い声が聞こえる




俺はPが好きだった。


…だった。


Pにも伝えた。

しかし、Pが俺の気持ちを受け止めてくれて一緒に居る時間が長くなる度に俺がPに対する気持ちは“恋愛”では無いことに気づいた

昔からダチだったP。
Pに対する気持ちは家族愛に近い感情だった。


それに気づいたときには俺の気持ちは別の場所へ

それが上田。


この気持ちは二人には伝えてない

だからPは俺を見張ってる
Pから見れば俺は浮気している男だ

上田は俺とPが付き合ってることを知っている
上田からみれば俺は性欲処理器

ってとこか。

困った関係になってしまった

 
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