†【銀時×近藤】

□膝枕
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『なんか、中坊カップルの公園デートって感じじゃね?』

ベンチの隣に座る銀時が振ってくるのを、缶コーヒーを飲みながら近藤が真顔で『アホ』と一言吐く。

ムッと口を尖らせる銀時が素早く缶コーヒーを奪い取ると、ぐびりと一口飲んで、苦い顔をした。
それを見て近藤が笑う。

『残念、無糖でした〜』

巡回中、公園のベンチでぼんやりと一休みしていたら、偶然にも銀時がふらりと現れて、当然の如く隣に居座った。

万事屋には神楽達がいるし、街中で堂々と会えば真選組の連中にいつ見られるか分からない。
土方なんかは特に銀時と相性が最悪のようだから、バレたら最後、後が恐ろしい。

そうそう2人で会えるのは意外に少ないから、こんな偶然は嬉しいことだ。
布団の中で心地良い素肌で寄り添うのは好きだが、こんな風にぼんやりと空を眺めて過ごすのも悪くないと思う。

ふいに欠伸をしながら、銀時がコロッと近藤の太ももに頭を乗せて寝転がってきた。

『ん、寝心地いいなぁ』

言いながら銀時が満足気に目を瞑る。

近藤はサッと辺りに目をやる。周囲に人気がないことを確認してから、そっと銀時の天然パーマの銀髪に触れた。

柔らかい髪の毛を指先に絡めて遊び、たまに撫でてやると、気持ち良いのか銀時が口端を上げるのが分かった。

ずっと、いつか好きな人に膝枕をして貰うのが憧れだったけれど。
膝枕をしてやるのも悪くはないものだと近藤は思った。

ふいに視線を感じて銀時を見ると、じっと物欲しそうな目で訴えている。

近藤はふっ、と笑みを溢したあと、静かにキスを落とした。


(完)

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