Poem

□終わって始まる。
1ページ/1ページ


君は覚えてる?


最初に席が隣になった時のこと



顔を真っ赤にしたあたしを見て、一言




「よろしく」




こっちを向かないでそっぽ向いてる

ムスッとしてるけど


君の一言で笑顔が零れた






教科書忘れたの?



そう聞いてもヘッドホンをはずさない


教科書を渡すと



チラッとこっちを見た






「サンキュ」





堪らなく嬉しかった








あれ、寝てる?




そっと覗き込む




睫毛が長くて悔しかった









席替えした



隣じゃなくなった


前までとおんなじ




関わりがなくなった







違うクラスになった



口をきかなくなった



廊下ですれ違っても目も合わせない





あの子と付き合ってるって本当?






卒業式だった



終わったと思ってた


友達の所に行こうとした時



肩に感じた熱と力







教室に行った



隣だったあの席に二人で座った







ああ、そうだったんだ


大学一緒なんだ



あたしに合わせてくれたんだ









「付き合ってくれる?」








君に、一番言って欲しかった言葉









ねぇ、



本当はさ




あの時そっぽ向いたのはさ





顔が熱かったから?






微かに残る記憶






真っ赤な耳








手を繋ぎ





歩いてく





僕らの



足跡を残して








あたしの


思いを落として

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ