Poem

□夢目録。
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僕は大人 立派な大人


久しぶりに部屋を掃除した

卒業文集が出てきた






何気なくページをめくると


懐かしい校舎

もう見覚えのない顔ぶれ

色褪せた先生のメッセージ

今では心に響かない、有り触れた言葉の陳列








次のページには


過去の自分が書いた将来の自分の夢パズル

綴られる文章

そこには今の自分のピースは、一つすら


埋められていなかった









もしも


15歳の僕に会ったら



今の自分を見て何というだろうか






まったく違うその予想図と見比べて

何かが、叫んだ



















電車の中で揺れる からっぽ人間


たくさん並ぶミラーに映る

あの頃の僕が望まなかった自分がいた






いつからだろう


夢を諦めたのは

その夢さえも思い出せなくなったのは


流れる涙さえも、ボンドみたいに固まって









もしも


15歳の君に会ったら




この僕を見て、どう思うだろうか




振りかえっても 戻ってみても






何も変わりやしないのに
























大工さんになって


お母さんにお城を作ってあげたい






ケーキ屋さんになって


あの空に届く、ケーキを作る






宇宙飛行士になって


自分の家を宇宙から見つけ出す







野球選手になって


パパの夢を叶えてあげたい







バレリーナになって


奇麗な白鳥と踊りたいな








薬剤師になって


何でも直す薬を作る













歌手になって


多くの人に、声を届けたい




大切な人に


泣いたり、笑ったりしてほしい





誰かを救えるなら


幸せになるなら
























あの頃の僕にはっきり言おう


分からない夢ってないと思う

叶わない夢もないと思う





僕は叶えようとしなかった

夢から逃げてしまった

必死に走ろうともしなかった














もしも


もう一度





あの頃に、戻れたら








何か変わったのかな



















そっと卒業文集を閉じた

同時に、夢も閉じた










一言、君に言いたい




夢は、諦めちゃいけないよ

人のために、叶えなさい
























だって、夢なんだから

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